重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
●最近ニュースなどで騒がれているマダニによる病気を知っていますか?
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について
- Q1.
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SFTSとはどのような病気ですか?
- Ans.
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2011年に初めて特定された、新しいウイルス(SFTSウイルス)に感染することによって引き起こされる病気です。
- Q2.
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SFTSウイルスにはどのようにして感染しますか?
- Ans.
-
多くの場合、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染します。このため、患者の多くはマダニの活動期である春から秋にかけて発生しています。
- Q3.
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マダニは、屋内で見られるダニとは違いますか?
- Ans.
-
マダニは、食品などに発生するコナダニや衣類や寝具に発生するヒョウダニなど、家庭内に生息するダニとは異なります。
また、植物の害虫であるハダニ類とも異なります。
- Q4.
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すべてのマダニがSFTSのウイルスを保有していますか?
- Ans.
-
すべてのマダニがSFTSのウイルスを保有しているわけではありません。
日本には47種類のマダニが生息するとされていますが、複数のマダニ種(フタトゲチマダニ、ヒゲナガマダニ、オオトゲチマダニ、キチマダニ、タカサゴキララマダニ)からSFTSのウイルスの遺伝子が発見されています。
- Q5.
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潜伏期間はどのくらいですか?
- Ans.
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(マダニに咬まれてから)6日~2週間程度です。
- Q6.
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ペットにマダニが付いていたらどうすればいいですか?
- Ans.
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ペットの健康を守るという観点からも、マダニの駆除を適切に行いましょう。市販のマダ二駆除剤ではあまり効果が期待できません。動物病院専用のマダニ駆除剤をお勧めします。散歩後はペットの体表のチェックを行い、マダニが付着している場合は、無理に取らず、動物病院を受診して下さい。
- Q7.
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人がマダニに咬まれたら、どうすればいいですか?
- Ans.
-
吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したりするので、医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらって下さい。また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱などの症状が認められた場合は医療機関で診察を受けてください。
- Q8.
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SFTSにかかると、どのような症状が出ますか?
- Ans.
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人では発熱と消化器症状(食欲低下、嘔吐、下痢、腹痛)で、時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)、血小板や白血球の減少を起こし、重症化し死亡することもあります。現在のところ、SFTSウイルスに対して有効なワクチンはありません。
- Q9.
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人以外の動物もマダニに咬まれるとSFTSにかかりますか?
- Ans.
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国内では、シカ、イノシシ、などの野生動物や猟犬の血液からSFTSウイルスが発見されたこともありますが、多くの動物はSFTSウイルスに感染しても発症しないと考えられています。
- Q10.
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マダニに咬まれたことにより感染する他の病気はありますか?
- Ans.
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日本紅斑熱、ライム病など多くの感染症がマダニによって媒介されることが知られています。また、マダニではありませんが、ダニの一種であるツツガムシによって媒介される、つつが虫病もあります。これらの病気は基本的には抗菌薬で治療可能ですが、重症化したり死亡したりすることもあります。
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セカンドオピニオンとしての受診も受付しております。お気軽にお問合せください。
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